廃止措置のための格納容器・建屋等信頼性維持と廃棄物処理・処分に関する基盤研究及び中核人材育成プログラム

東北大学

プロジェクト

放射性廃棄物処分

研究室の概要とTG2-②タスクグループの目指すところ

研究室の概要とTG2-②タスクグループの目指すところ

放射性廃棄物の管理・処分システムでは、地中を活用するなどにより放射性物質を生活圏からの隔離することが求められます。当タスクグ ループ では、「TG2 燃料デブリの処理と放射性廃棄物の処分に関する基礎・基盤研究」の一環として、福島第一原子力発電所の事故修復に最も重要な事項の一つである「TG2-② 放射性廃棄物処分」について、放射性廃棄物の安定な管理・処分システムの構築を目指し、地圏環境における移動現象論(物質や熱の移動)、 反応 工学、放射化学、そして地質工学等を基盤として多角的視点から研究を行なっています。福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性廃棄物は、通常 の原子力発電所の廃止措置に伴う廃棄物とは物量や性質が異なります。この課題を解決するためには多くの英知が必要になります。その中で、 我々 は、放射性廃棄物の管理・処分システムの構築に必要となるセメント系材料と核種との相互作用等について基礎的なデータの提供とそれを地圏環境 の地下水流動場においてどのように活用するかを提示する研究を通じて、他のタスクグループや福島高専の先生方と協力しながら当分野の中核 を担 う研究者・技術者の育成を目指しています。

研究の最前線から

放射性廃棄物の安全かつ合理的な処理・処分方法の構築と、超長期にわたる処分システムの性能を評価する研究に取り組んでいます。中でもセメント系材料と放射性核種の相互作用を利用した安定的なバリア材の研究・開発など、周辺技術・知見を積極的に取り入れながら、新しい視点からアプローチしています。放射性廃棄物の管理・処分の研究は、これまでも多くの異なる専門家が国内外に集結して進んできています。その中で、福島第一発電所の事故に伴う廃棄物は、これまでの放射性廃棄物とは異なり、どの核種が、どこに、どの程度、そして、どのような化学形態で存在しているかの情報を増やしつつ、その管理・処分システムを考え、その知見を前段階である処理過程にもフィードバックさせる必要があります。その意味でも当TG2-②は、TG2-①「デブリ性状把握・処理技術」と密接な関係があり、相互に情報交換を行いながら研究を進めていきます。また、放射性廃棄物の課題においてさらに重要なことは、放射性廃棄物について社会にその実態を伝え、疑問点に答え、その過程の中で技術的な見直しをも行いながら放射性廃棄物の管理・処分の事業を行う必要がある点にあります。当TG2-②は、TG(2)-③「社会的受容性」を常に念頭において研究や技術開発を行ない、人材の育成を進めていきます。そこには、廃棄体の回収可能性や放射性廃棄物の管理・処分事業自体の可逆性などの技術的な根拠の提示と当該システムの見直しなども含まれます。

現在、政府は「福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」の中で、2017年度に固体廃棄物の処理・処分に関する基本的な考え方を取りまとめ、そして、2021年度に固体廃棄物の処理・処分における安全性の見通しの確認を目指しており、これまでの放射性廃棄物の管理・処分システムの知見を活用しつつも、その相違点を明確にして対応することが求められています。また、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)では、2015年4月に廃炉のための技術戦略プラン2015を示し、上述の中長期ロードマップに具体的な技術的根拠を与え、その円滑な実行や改訂の検討を開始しています。一方、日本原子力学会「福島第一原子力発電所事故により生ずる放射性廃棄物の処理・処分」特別専門委員会では、本年度は、福島第一原子力発電所における作業や廃棄物管理の状況、処理・処分に向けた研究開発の状況を調査し、放射性廃棄物の処理・処分に向けた研究開発計画の検討、立案を行なっており、各年度の検討結果を報告書に取りまとめています。また、国際廃炉研究開発機構(IRID)や日本原子力研究開発機構(JAEA)においては本分野をも牽引すべく、技術的な検討を日々続けています。本TG2-②では、NDF, IRID, JAEAや学会の調査や検討にも係りながら、また、当事業に係る先生方や大学院生、専門家会議の委員の先生方からの意見を収集し、前述の目的に向けて挑戦を続けていきます。

スタッフ

  • 新堀 雄一 教授
    新堀 雄一 教授
  • 山村 朝雄 准教授
    山村 朝雄 准教授
  • 千田 太詩 助教
    千田 太詩 助教